つい悪者に考えてしまいがちですが、皮脂はお肌にとってなくてはならないものです。健康な美肌を保つためには、皮膚は常に適度な皮脂で覆われている必要があります。
毛穴のケアをする、美肌を作る為には、皮膚の構造について理解する必要があります。
お肌にトラブルの多い方は、皮膚の構造とターンオーバーの仕組みを理解すると、
ただなんとなく肌にいいから・・と言われているだけでは実行できなかったお肌の手入れでも、それをすると、良くなる、あるいはダメージがあると具体的にハッキリ分かれば、その手入れの大切さに気づきます。
何にでもいえることですが、トラブルは早めに対処すれば早く解決できる可能性が大きくなります。お肌トラブルも同じです。お肌は生きていますから、自分の肌質とお肌の状況にあった手入れをすることで、確実に良い方向へ向かいます。
今更・・・と思っている方でも、実際に成果が出てくると、もっと良くなりたいと思うようになるものです。
毛穴のケア、美肌つくりの第一歩は、皮膚の構造を知ることからスタートします。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つで構成されています。
表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分類することができ、基底層で作られた表皮の細胞が有棘層、顆粒層を経て角質層になり、やがて垢となってはがれ落ちていきます。
角質層の表面は皮脂腺から分泌された皮脂と汗腺からの汗が混じり合った皮脂膜によって覆われ、うるおいを保って皮膚の乾燥を防いでいます。皮脂膜は弱酸性を保っており、細菌やウイルス、異物などが体内に侵入するのを防ぐ働きもしています。
角質層はケラチンという線維質のタンパク質でできており、厚さは約0.02mmで、ブロック状に何層にも重なっています。細胞と細胞の間は、NMF(Natural Moisturizing Factor)というアミノ酸で出来た天然保湿成分や細胞間脂質で構成されており、これらは、外からの水分の侵入を防ぐと同時に、体内の水分が蒸発するのを防いでもいます。
基底層には、メラノサイト と、ケラチノサイト等2種類の細胞があるのですが、 メラノサイト(色素細胞)は点在していて、紫外線を浴びるとメラニン色素を作り出します。 メラニン色素を生成して皮膚の色を変えることで、紫外線の悪影響から皮膚を守る役目をするのです。
表皮は外部からの異物の侵入を防ぎ、肌の内部を紫外線や外気(熱さ、寒さ、乾燥など)、外傷などから守る役割をしています。また外部からの水分の浸入を防ぎ、体内の水分の蒸発を防止するなど湿度や温度のコントロールもしているのです。
表皮の下部にある真皮層は、お肌の弾力や水分を保つ働きをしています。
コラーゲン(繊維状のタンパク質)やエラスチン(繊維状のタンパク質)、ヒアルロン酸(ムコ多糖の一種)といった成分で構成されています。
角質層は水分を逃さないという働きはしますが、角質層自体に特に水分が多いわけではなく、お肌をみずみずしい状態に保っているのは真皮層の部分なのです。
外的な刺激から表皮を守るのはいうまでもありませんが、いつまでも若々しいお肌を保つには、お肌の弾力や水分を保つ働きをしている真皮層への対策をすることが重要になってくるのです。
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皮脂線から分泌された皮脂は毛包を通って、皮膚表面に開いた毛穴から排出されます。 皮脂は皮膚表面を覆って肌を保護するとともに、潤いを保って肌が乾燥するのを防いでいます。
しかし皮脂の過剰分泌があったり、メイク落としが不十分で汚れが残っていたりすると、皮脂や汚れが酸化して毛穴の黒ずみが目立つようになったり、角栓ができて詰まった毛穴の中ではアクネ菌が増殖して炎症を起こし、ニキビや吹き出物の原因になったりすることがあります。
このように、皮脂は多すぎても少なすぎても皮膚トラブルの原因になります。洗顔で皮膚を清潔にし、毛穴の汚れを落とすことは大事ですが、肌に必要な皮脂分まで奪ってしまわないようにすることが大切なのです。