肌再生のリズムが崩れると、お肌の乾燥を招いたり、ニキビや吹出物、キメが粗くなるなどの肌トラブルの原因になってしまいます。
ターンオーバーの仕組みやサイクルの乱れの影響を学んで、毛穴の手入れの参考にしてくださいね。
ターンオーバーとは、皮膚(表皮)が生まれてから剥がれ落ちるまでのサイクルのことです。 表皮の細胞は基底層で発生し、有棘層、顆粒層へと押し上げられて角質層に達し、 最後に垢となってはがれ落ちていきます。
この皮膚の深部から表面へと押し出され剥がれ落ちるまでのサイクル(ターンオーバー)は、 健康な皮膚ならおよそ28日間といわれています。 私たちの皮膚はこのようにターンオーバーを繰り返すことによって、新しい皮膚へと生まれ変わっているのです。
ところが何らかの原因によってターンオーバーのリズムが崩れてしまうと、 お肌の乾燥を招いたり、にきびや肌のくすみ、毛穴の黒ずみ、キメが粗くなるなどのお肌トラブルが起きてしまいます。
加齢やストレスなどの影響でターンオーバーの周期が長くなると、古い皮膚がお肌に留まり続け、黒くくすんで見えます。古い皮膚がまだ残っていることで新しい皮膚が作られる時期も遅くなり、そうなると、新しい皮膚が作られる際に一緒に作られるNMF成分も作られるのが遅くなり、結果、表皮の潤いが失われて乾燥肌になるという・・・。
お肌の乾燥が、毛穴の開きや黒ずみを招くことはお肌の乾燥1で説明しています。
また、日焼けでできたメラニン色素を含んだ細胞は、通常はターンオーバーによって垢となって剥がれ落ちるので、月日の経過とともに元の肌色に戻るのですが、ターンオーバーの周期が乱れて肌に留まり続けると色素沈着し、シミやくすみの原因になるといったことも起こってきます。
角質層は厚さ約0.02mmと非常に薄いので、ちょっとしたことですぐに傷ついたり炎症を起こしてしまいます。擦る、ひっかく、紫外線、乾燥の影響など様々な要因で傷ついた角質層は、細菌や異物の侵入を防ぐバリア機能や水分保持能力が低下し、乾燥して皮膚から浮き上がり、ごわついてお肌が荒れた状態になるのです。
荒れたお肌はバリア機能も水分保持能力も低いので、傷つきやすく炎症も起こしやすくなるので、またお肌が荒れていくという悪循環に陥ってしまいます。肌荒れは更なる肌荒れを招く・・という状況ですね。
たかが肌荒れと侮っていると、悲惨なことになってしまうんです。
お肌がこのような状況になると、早く新しい皮膚を作ってお肌を守ろうとする防御反応が起きてきます。表皮は基底層で作られ、次々に押し上げられて角質層に達するというのがターンオーバーでしたね?そして、それはおよそ28日間で行われるのでした。
ところが、緊急事態とばかりに短期間で角質層に押し上げられた皮膚細胞は、バリア機能や保水能力も低い、未熟な細胞なのです。
ですから、不可抗力で傷ついた肌が未熟な細胞の表皮で覆われることは仕方がないとしても、ゴシゴシ洗顔や爪でニキビを潰すなどの行為は、自分から進んでお肌に傷をつけ、未熟な細胞に生まれ変わらせているようなものですので、絶対にしないほうがいいのです。
物理的に刺激を受けた時だけでなく、お肌は紫外線によってもダメージを受けます。急激に日焼けした場合はお肌に炎症を起こしている状態ですから、やはり、早く新しい皮膚を再生しようという体の防御反応が働きますので、日焼け後はすぐに炎症を鎮めることを考え、お肌の火照りやヒリヒリ感が治まったら、とにかくたっぷりと保湿ケアをするのが大切です。
このように考えてみますと、紫外線がターンオーバーに及ぼす影響には、ターンオーバーの周期が長い為にメラニン色素を含んだ細胞が剥がれ落ちずにシミやシワの原因になるという二次的な場合と、紫外線での日焼けが直接ターンオーバーのサイクルを乱す原因になる場合の、2通りがあるということですね。
ターンオーバーは自律神経と関連があるそうです。ですからターンオーバーのリズムを整えるには、紫外線対策をする、皮膚も体へも水分補給を怠らないなどお肌への対策だけではなく、睡眠を十分にとる、バランスのとれた食生活にする、など規則正しい生活を心がけることが大切です。
また、お肌は夜中に作られる・・という言葉があるように、夜10時から翌日午前2時にはお肌を休ませ、睡眠をとることも大切です。